マネキン少女
読者モデル
あの日から、私の居場所は何処にも見付からないまま14歳の誕生日を向かえていた。


家では気を使い、学校では話しをする相手など居ない。ひとりぼっちでポツンと椅子に座っている。


この広い世界の中にひとりぼっちで取り残されたかのような喪失感を感じていた。


こんな、世の中無くなっちゃえば良いのに。
こんな世界なんて滅びてしまえば良いのに。


そんな荒んだ思考回路に蝕まれていく。


自分の居場所が欲しい。それが私の切実な願いだ。


ただ、こんな私にもひとつだけ楽しみにしている事が有る。


私は学校でひとりぼっちの自分を味わう事から逃げる為に、昼休みだけは屋上に避難していた。


誰も居ない屋上に居たら、気が楽だ。


集団の中でひとりぼっちだと、惨めな気持ちになってくるが、屋上でなら1人だろうがどうでも良い事のように思える不思議。


なにより__


屋上に居れば、たまにだけど迷い猫のようにヒロが顔を覗かせる事があった。


最初のうちは、ユリカと私の間に距離ができている事を心配してくれたっけ。


でも、その話題に触れられたくないという気持ちを組み入れてくれたのか、何時しか日常会話を交わす仲になった。





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