偏にきみと白い春
◇
噂というものは、案外すぐに広まって、しかも一人歩きしてしまうものらしい。
「ねえ、領って片桐さんと付き合ってるの?!」
そんはウワサが広まって、友達がほとんどいない私の耳にまで届くようになるのに3日もかからなかった。
怜と浩平が言う通り、領のことを好きな女の子って案外たくさんいる。それが恋愛の類じゃなくても、人は人の噂話が大好きみたい。
クラスメイトはもちろん、他クラスの子や他学年の子、終いには先生にも噂は広がって、放課の時間に私たちの教室に人が集まるようになってしまった。みんな、真相を確かめようとしているんだ。
でも、そう聞かれると決まって領は何も躊躇わず笑顔で答える。
「えー、ナイショー」
その無邪気な笑顔にそれ以上何も突っ込めない外野は黙るしかない。もちろん、私には何も聞いてこない。
正直「付き合ってないです!」と言いたいくらいなんだけれど、領が泳がせてるから仕方ない。私が声を上げられることではないし。
……だけど、授業が終わるたびにクラスに人が集まるのは、正直邪魔、だ。
学校にいる間は勉強に集中したいのに。人の噂話によくもまあそんなに気力を注げるものだと逆に感心してしまう。
噂というものは、案外すぐに広まって、しかも一人歩きしてしまうものらしい。
「ねえ、領って片桐さんと付き合ってるの?!」
そんはウワサが広まって、友達がほとんどいない私の耳にまで届くようになるのに3日もかからなかった。
怜と浩平が言う通り、領のことを好きな女の子って案外たくさんいる。それが恋愛の類じゃなくても、人は人の噂話が大好きみたい。
クラスメイトはもちろん、他クラスの子や他学年の子、終いには先生にも噂は広がって、放課の時間に私たちの教室に人が集まるようになってしまった。みんな、真相を確かめようとしているんだ。
でも、そう聞かれると決まって領は何も躊躇わず笑顔で答える。
「えー、ナイショー」
その無邪気な笑顔にそれ以上何も突っ込めない外野は黙るしかない。もちろん、私には何も聞いてこない。
正直「付き合ってないです!」と言いたいくらいなんだけれど、領が泳がせてるから仕方ない。私が声を上げられることではないし。
……だけど、授業が終わるたびにクラスに人が集まるのは、正直邪魔、だ。
学校にいる間は勉強に集中したいのに。人の噂話によくもまあそんなに気力を注げるものだと逆に感心してしまう。