初恋交響楽
出て行きたかった気はあったけれど…でも何か頼まないままで店を出て行くのは感じが悪いと思ったので、和風パスタと烏龍茶を頼んだ。

柚子胡椒がよく利いている和風パスタはとても美味しかった。

そう言えば、パスタはまだ作ってあげたことないなあ。

大国くんに作ってあげたら喜んで食べそうだな…と、わたしはそんなことを考えていた。

「ありがとうございましたー」

店員に見送られ、わたしは店を後にした。

「離婚か…」

わたしは呟いた。

もしも作戦がうまく行ったら、わたしと大国くんは離婚をすることができる。

だけども、それでいいのだろうか?

どうしたいのか何がしたいのか、そして本当に大国くんと離婚をしたいのかと思いながら、わたしは自宅へと足を向かわせた。
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