Crush～いつも君を想う～

家に帰ると、
「お帰りなさい、林太郎さん」

一果さんが玄関まできて迎えてくれた。

「ただいま、一果さん」

俺は一果さんを見つめると、
「何とかなったよ」
と、言った。

「そうか、よかった…」

一果さんはホッとした様子だった。

「もうこれで悩まされることはなくなったね」

「千世さんのおかげで犯人もわかったし、本当によかったよ」

「後で千世ちゃんにお礼を言わないとね」

俺たちはフフッと笑いあった…けれど、一果さんは笑うのをやめた。

「一果さん？」

「私ね…本当は、少しだけ嫉妬していたの」
と、一果さんは言った。

「嫉妬？」

そう聞き返した俺に、
「嫌がらせの犯人は林太郎さんの元恋人で、どこかで結婚の話を聞いた彼女が嫌がらせをしているんじゃないかって思ってたの」
と、一果さんは答えた。