Crush~いつも君を想う~
林太郎さんを見た彼女の目に涙があふれる。

わかったのだろうか?

林太郎さんが自分が産んだ我が子だと言うことがわかったのだろうか?

彼女は林太郎さんにゆっくりと微笑みかけると、それに満足したと言うように目を閉じたのだった。

「ね、姉さん!?」

驚いた様子で彼はベッドに歩み寄ると、すぐに泣き出した。

「私、看護師さんを呼んできます」

私は声をかけると、ナースセンターに向かった。

その後で担当医師と看護師がきて様子の確認をすると、
「ご臨終です」
と、私たちに告げたのだった。

病院を後にすると、
「ーーどうだったのかな…?」
と、林太郎さんは呟いた。

「えっ?」

私が聞き返したら、
「あの人は俺に会えてよかったと思っているのかな…?」
と、林太郎さんは言った。
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