Crush~いつも君を想う~
お客さんの後ろ姿を見送ると、
「着物を返しにきました」
と、私は林太郎さんに声をかけた。

「電話してくれたら直接訪ねてきたのに…」

林太郎さんは苦笑いをしながら、私の手から着物を受け取った。

「それでは…」

そう言って立ち去ろうとした私だったけれど、
「待って」

林太郎さんに呼び止められた。

「先日は、大人気なかった」

そう言った林太郎さんに、私は首を傾げた。

「同窓会の…」

「あ、ああ…えっ?」

大人気なかったって、どう言う意味なんだろう?

林太郎さんの口から“大人気なかった”と言う言葉が出てきたので少し驚いた。

いつも優しくて余裕な彼がそう言うのは意外だと思った。

「大人気なかった、と言うのは…?」

私は聞き返した。
< 97 / 200 >

この作品をシェア

pagetop