風に揺られる幾許もない灯
湖白side

目が覚めると、視界いっぱいに広がるのは白色の天井

カーテンがついたベッドの横で、電子音が鳴り続けている

身にまとう服はシンプルな白いサテン生地のパジャマ

袖を捲くられた腕を見れば、沢山の点滴が繋がれている

病に蝕まれ、削られていく命を点滴で必死に止めて命を繋いでいるみたい。

なんだか馬鹿馬鹿しく思えて、乾いた笑みを浮かべた。

(こんな事をする意味があるのだろうか?こんなに必死になってまで叶えたい事なんて無いのに…)

生きてる意味が分からない

私は…もしかしたらあと少ししか生きられないのに

寝て、食べて、何も無い空を見上げるだけの生活にもう飽きた

暇つぶしに本を読んでいたおかげで、勉強は分かるしむしろ自分で言うのもなんだけど頭はいいと思う

何を学んだって意味がないけど
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