素直になりたい。
「直ちゃん、踏み込んでみて分かったの、自分の気持ち」


半開きになったドアの向こうから祐希さんが話しかける。

私は苦笑い。


「分かったような分からないような、でもやっぱり分からないです」


結局私は分からないで片付ける。

自分の気持ちに向き合おうとしない。

そんな自分が嫌い。

それだけは分かってる。


「なら、1つだけ質問してあげる」


祐希さんの声はいつだって優しくて穏やかだ。

包まれたくなる声なんだ。


「新大くんのこと......嫌い?」

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