素直になりたい。
まず、廊下を通っている時点で違和感を感じていた。

皆が私を指差して笑っているように思える。

皆が私の噂をしているみたいに見える。

最初は私がおかしいのかなと思ったけど、

そうではないという決定的な証拠が教室にあった。


――ガラガラ...。


教室のドアをいつもより穏やかに開けたつもりでも、一気に視線が集まった。

久しぶりに感じるこのチクチクとした痛み。

この正体を私は知っている。


「おはよう」


文化祭で絆を深めた仲間に挨拶をしても返ってこない。

ということは、

つまり...

そういうこと、だ。


「あのぉ、鷲尾さん」


クラスで1番大人しい文芸部の子が話しかけてくる。

私は1時限目の準備をしながら、彼女の話に耳を傾ける。


「これって、鷲尾さん...なんだよね?」


私は一旦手を止め、その子のスマホに視線を向けた。

すると、そこにあったのは......


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