素直になりたい。
『え?』


最後の反応までシンクロしてしまった。

こんなこと、ある?

背けると今度は気まずくなって沈黙...。

話し出すタイミングが分からない。

絶対に後出しにしようと待っていると、櫻庭が口を開いた。


「お互いにごめんなさいしたから、お互いに許すか言おう。あ、ちなみに俺は許す。ってか、俺が悪いし」

「いや、私が悪い。櫻庭のこと疑っちゃってごめん。友達なら無条件に信じてあげなきゃだったのに...ごめん」


そう言い終わった後、

私と櫻庭の視線が交わった。

数秒瞬きを忘れて見つめ合い、

また数秒して、

吹き出した。


「ふふっ。あははは!」

「はははっ!」


私達は笑い、お腹を抱えながら歩いた。


「いつまで笑ってんだよ、バーカ」

「バカはそっち。あははっ...」


きっと、私がこんなに笑えるのは

後にも先にも

櫻庭の前だけだ。

遅くなったかもしれないけど、

卒業式の日に、言おう。

櫻庭のことが

......だって、

ちゃんと言おう。

もう、後ろは振り返らない。

私は私の気持ちに素直になる。

その先にどんな未来が待っていようとも、

私は無条件にすべてを受け入れる。

だって、それが、

私の人生だから。
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