愛の深さに溺れる



【須崎side】


海老塚さんと付き合ってから幸せの日々ばかりを過してる。

否、付き合う前からも幸せではあった。

まぁ、アレを目にした時はさすがに心が荒れたかな。


それでも海老塚さんが選んだのはこの俺だからもう気にはしていないし、あの男が海老塚さんにもうデートに誘うようなことは2度とない。それだけは確信できる。


「うん、今日もこの店のコーヒーは美味しいな」

「…ぁ」

「あ、君は」


あるビルの向かいにあるお気に入りのカフェ、お気に入りの席でお気に入りのコーヒーを楽しんでいたら、店に入ってきた見覚えのある人を視界に捉えた。


でも相手はいい顔をしていない。

それも当然といえば当然なのかもしれないけど。


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