青春の花は素顔に咲く


「できた……生徒会長、こんなワークでどうですか? 白銀向けのやつ」
「ん、いいんじゃない。さすが黒野君だよね。わかりやすいし簡素でいい」
「えへへ、そんなぁ」
「本当生徒会に欲しい存在だよ」
「生徒会長みたいにはなれないですし」
「君は君らしい生徒会長になればいい」
「でも」
「この学校では異彩を放って、自分を貫く君をボクは尊敬するよ」
「ええ……? 尊敬なんて。生徒会長こそ尊敬しますよ、あたし

 体弱いのに、生徒会長なんかやって、それもこなして。
 すごいと思うんだけど。

「卑怯なセリフ言わないでくれるかな……まずます好きになっちゃいそうだよ」
「え?」

(好き? って言った?)

「あ、うん。何でもない」
「はあ」

 一方白銀はワークを見て目をキラキラさせていた。 

 ページをめくるたび絵本を読む子供のように興奮した表情を見せる。
< 200 / 311 >

この作品をシェア

pagetop