青春の花は素顔に咲く
「オレは、人と距離を詰めないためのヤンキーの服装を選んでるんだからな。どんな目で見られようが困らない」
「なるほど?」
「けどお前は、信念があってその服を着てるだけだろ」
「まあ、ねえ」
「お前はいつだって、背筋をピンと張ってゴスロリを着て。誰に笑われても前を向いて歩いていた」
「そりゃ、ゴスロリは素敵じゃん」
「周りに振り回されない、ぶれないそういう精神がかっこいいんだよ。黒野のそういうところがオレは好きだ」
「……告白?」
あたしは真顔で首をかしげる。何を恥ずかしいことを言ってるの?
そりゃ今は、廊下に人通りもないけど。誰かが聞いてたらどうするの? 誤解されちゃうじゃん?
「おまえみたいに、オレもなりたかった」
「……なればいいのに」
「そう簡単にできるものじゃないだろ」
「まあ、事情が事情だしね」
「ありのままで批判されるのが怖くて、こんな格好をオレは選んだんだ。弱い人間だと自分でも思う」
白銀は情けない、というように肩をすくめた。
あたしはきょとんと白銀を見る。