風鈴が鳴る頃に
 「ちょっと!どこ行くの?!」

彼女は軽やかに走っていってしまった

くるっと振り返って彼女は言う
  「ついておいでー!」

「ええっ、ちょっと待ってよ」
足をおぼつかせながらも彼女を追いかけた

「速い」
息が切れてきた、、
走っても走っても彼女には追いつかない

軽そうな体で
風に乗るように彼女は走る

セーラー服の後ろの襟が楽しそうに踊る

時々こちらを振り返っては
楽しそうに笑った
「速くぅー!」


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