湿気た愛
母はわたしを好いていた。

正確には、勉強ができるわたしを。

勉強=お金

の方程式が母の頭の中では成り立っている。

言ってしまえば、母はお金が好きなのだ。


そんな母に褒めてもらうには勉強をするしか術がなかった。

だからわたしは周りの中学生とは比べものにならないほどに勉強していた。

呑気に彼氏と手を繋いだだとが、しょうもない話をする先輩のことをさえ見下していた。


お陰でわたしはいわゆるぼっちであった。
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