真夜中のサイコパス
予期せぬ接近
(どうしよう……。

私の中に浜中美澄の幽霊がいる。

浜中美澄の幽霊が木村菜々子を殺そうとしている……。

私の中から浜中美澄を追い出さなくちゃ。

そうじゃなきゃ、私の人生がめちゃくちゃになってしまう)


私にできた新たな悩みは、今までに経験したことがないくらいに大きくて、私の心の真ん中に居座り続けた。


私はこの大きな悩みを優子に相談したかったが、私の中に浜中美澄の幽霊がいることを告白したら、この前の制服事件の犯人が私だってバレてしまう。


そしたら優子は私にどんな態度を取るだろう。


やってはいけないことをした私を遠ざけるかもしれないし、幽霊に取りつかれている私を恐れるかもしれない。


優子から拒絶されるイメージしか私の頭の中に浮かんでこなくて、私は優子にこのことを話さないことにした。


私一人で抱えるには問題が大き過ぎるけど、この秘密だけは誰とも共有できなかった。


未来がどうなるかはわからないけど、私は起きるかもしれない最悪の未来から目を伏せることで、沸き上がってくる不安と恐怖を心の中で誤魔化していた。
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