真夜中のサイコパス
「だけどさ、気になる。

里山高校のアイドルとまで言われていた浜中美澄が、どうして恋敵を殺す殺人鬼になったのか……。

だって美澄って、みんなからチヤホヤされてた人気者だったんでしょ。

その美澄がどうしてそんな風に変わっちゃったんだろうって……」


「気になる?」


「うん、気になる」


「話の続きを早く聞きたい?」


「うん、聞きたい」


「そっか。

それじゃ、里山高校の都市伝説の話の続きをするね」


「都市伝説っていうか……、今のところホラーな要素はないけどね」


「まぁ、そうなんだけどさ。

この話がおもしろいのはこれからだよ。

顔に火傷を負った美澄がちょっとずつ変わっていくから」


そう言って優子が私の目をのぞき込んだとき、私は息を止めて、優子の目を見つめていた。


私は浜中美澄がどうなったかを詳しく知りたい。


学校のアイドルが人気者でなくなったとき、美澄はなにを思い、なにをしたのか?


私はまた話し始めた優子の言葉にじっと耳を傾けていた。
< 19 / 212 >

この作品をシェア

pagetop