真夜中のサイコパス
私の中の別人格
私が優子と二人で浜中美澄の幽霊を見てから三日が過ぎた。


優子が一年三組の教室で浜中美澄の幽霊を呼び出したとき、浜中美澄の幽霊が私の体の中に入っていったように見えたけど、今のところ私の体に異変はなかった。


優子は毎朝、私に体調が悪くないかを聞いてくる。


浜中美澄の幽霊が私の体に入り込んで、私の体を乗っ取ろうとしていると、優子は考えているらしかった。


正直、私もその可能性に怯えていたけど、私はいつもの私のままで、なにも変わったことはなかった。


それにクラスのアイドル、木村菜々子は相変わらず拓実と仲が良くて、私はそれを見る度にがっかりして、ため息が出てしまう。


ああ、里山高校の都市伝説も私の恋愛を成就させることはないのだ。


私が今の木村菜々子のポジションにいられたら……。


ズルしてでもいいから、私は拓実と付き合いたい。


そんなことを思いながら。
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