真夜中のサイコパス
（悔しいな……。

拓実君が木村菜々子とあんなに楽しそうに話している……。

あんな奴、学校からいなくなっちゃえばいいのに……）


木村菜々子が学校からいなくなっても、拓実君が私と付き合うことはないのかもしれない。


でも私の醜い嫉妬心はそんな現実も無視して、木村菜々子を憎んでしまう。


私は木村菜々子みたいに拓実君に話しかけられないし、あんな風に笑いながら、拓実君と話したこともない。


きっと叶わない夢を見続けることは心に毒で、私は一人で苦しんだり、悲しんだりしなくてはいけないのだ。


ああ、どうして私は木村菜々子じゃないんだろう？


平凡で特別な魅力を持たない有島咲良じゃ、素敵な恋なんてできやしない。


私は三時間目の数学の授業中、木村菜々子を恨めしく思いながら、彼女の背中をじっと見ていた。


拓実君の心の中の真ん中にアイツがいる。


木村菜々子なんて、いなくなればいいのにと思いながら。
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