カレシとお付き合い② 森君と杏珠


 昨日言ってた事。
私に言ったことが、ほんとで?

 でもでも、サエキさんは?

 情けない事に、私は森君の事、ほとんど知らないよ。

 森君どころか普通に、皆んなが言う事や、当然の人間関係も良く分からないのに。
 男の子の話の内容も、表現も、言い方も、考えも、知らない。
 普通に友達の男女と特別な相手の違いも。


 森君の普通がわからない。
 森君がどんな人なのか知らない。
 どんな表情をするのか、何を考えてるのか。
サエキさんのグループでいたのは確かで、小学校からずっと一緒で、なんかモヤモヤした。
 嫌だなって思った。
 私の方が森君の事知らないと思うと、泣きたくなった。

 私は彼を信用したい

 彼の優しさを実感したい。

 彼の優しさを100%信じて、溶けてしまいたい⋯⋯ 。


 うわっ、私変だ!

 森君の横顔を見ていた⋯⋯ 。

 しかも絶対変な顔してる私。
それこそ、溶けてる⋯⋯ 。

 森君が、『何? 』ってかんじで、見たので、ブワッと熱くなった。
言えるわけない事を考えてました。

 返事もできず、真っ赤になって、男子は引いてるし、サッカー部はくすくす笑ってた。

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