契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


 ふたりの仕事の都合がちょうどタイミングよく合っていて、連絡を取り合った昨日の今日で会う約束ができた。

 もう終わりを迎える関係なら、最後に気持ちは伝えよう。

 そう心に決めて今日は家を出てきた。

 最後くらい、お礼と一緒に好きになったことを口にしてもきっと罰は当たらない。


「あれ? 佑華さん!」


 独り暮らしの住まいから一番近い最寄り駅に向かって歩いていた時、駅前ロータリーに差し掛かったところで聞き覚えのある声に呼び止められた。


「やっぱり佑華さんだ!」


 美鈴さん……?


 駆け寄ってきたのは、あの病院の中庭で一緒にパンを食べた時以来会っていなかった美鈴さん。

 にこりと微笑まれて、返す笑顔が引きつる。

 今このタイミングで会うとはまさか想定もしていない。

 でも、今ここで会えて良かった。

 今から七央さんに気持ちを伝えることは、美鈴さんにも知らせるべきこと。

 黙って七央さんに会うわけにもいかない。

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