やっぱり彼女は溺愛されていることを知らない
 百歳になってもずっと一緒って……。

 そのセリフ、他の子にも言ってるよね?

 あと、私たち付き合わないよね?

 私、告白もプロポーズもお断りしたんだけど。

 しばし重い沈黙が私たちを覆う。

 後から出社してきた人たちが邪魔そうな視線を投げながら私たちを避けていった。背後のエレベーターホールから沢山の人の朝の挨拶が靴音に混じって聞こえてくる。

「中森くーん」

 どこか男性アイドルを連想させる若い声が新村君の後ろから聞こえた。
 
< 226 / 497 >

この作品をシェア

pagetop