初恋物語~大切な君へ
翌朝、雫は俺の傍から離れた。
まだ雫の体温が俺の身体に残る。
これでいい……。
時間が経てば自然にこの想いが
消える事を願って俺は大きな
決断をした。
慎吾は新婚旅行も近々行くことだし、
落ち着いてから報告しよう。
颯にはちゃんと言っとかないとな。
どんな反応するだろうか……。
まぁ、雫がまだ颯の事を想ってる
事は言わないけどな。
それは颯が努力しないといけないし、
そんな簡単に教えるのは尺につく。
そんな事を思いながから、
颯に電話を掛けたら3コールで
電話に出た。
そして俺は颯を家に招き入れた。
「お邪魔します。」
「コーヒーで良い?」
「うんありがとう。」
圭介が自分の家に俺を招き入れた。
たまたま今日は夕方から出勤だったから
午前中は予定は空いていた。
なんだ?圭介が家に呼び出す事なんて
今まで1度もない。
状況が掴めないまま圭介から話しを
切り出した。
「颯、単刀直入に言う。」
「雫と昨日別れた。」
「は?」
別れた?
圭介は雫と別れたと今言ったの?
何で?そんな急に何でそんな展開になるんだ?
雫はそれで了承したのか?
圭介の事好きじゃなかったのか?
「だから、別れたって言ったんだよ。」
「えっ……何で!?」
「昨日、結婚式まで普通だったじゃん。」
「俺、再来月に転勤で」
「北海道に行くことになった。」
「だから、雫と話し合った結果」
「お互い別れようとなった。」
「意味わかんないだけど。」
「圭介、雫の事ずっと守るって言ってなかった?」
「幸せにしてみせるとも。」
「その役目俺じゃないんだよ。」
「それに気付いただけ。」
「それに、別に悪い別れ方じゃないんだ。」
「そうだけど……。」
「俺……じゃ遠慮しなくて良いって」
「事で良いんだよな?」
「それは颯が決める事だろ。」
「でも、幸せにできるのは」
「誰なんだ……俺で良いのか……?」
「俺1度雫を傷つけてしまってるし」
「その資格なんてないし」
「だけど他の奴には取られたくない。」
「分かれよ!」
「颯はそんなに鈍感な奴だったのか!?」
「弱気になんなよな。」
「取り戻したいんだろ!?」
「だったら、行くしかないだろ?」
「圭介……ありがとう。」
「俺、雫を今度こそ幸せにする。」
「今度こそ絶対に手放さない。」
「報告待ってる。」
「あぁ!」
「近々雫に会ってちゃんと俺の気持ち」
「伝えてくる。」
「わかったわかった。」
結局、俺簡単に教えてしまったな。
まぁこれはこれでいいっか。
いつかこの日の事を笑って思い出話しとして
出来る日が来る事を願った。
第19章 別れ
END