みやとロウ。
*7*
しばらく慌ただしい日が続いた

と言うのも
約束通り、しおりから護身術を習い始めたから


しおりの言う『護身術』は
普通の「護身術」とは違う

対あやかし用の『護身術』

しおりは大丈夫だと言ったけど
自分がそれを覚えて、扱える自信は正直あまりなかった


だけど、しおりの教え方が良かったのか
自分に適性があったのか


思いの外(ほか)、すんなりとこなせた


「護符の扱いは問題ないですね
では、次は祓具(はらいぐ)の扱いを覚えましょうか」


しおりは切り株の上に置いていた風呂敷を広げて、中から取り出した『それ』を私に差し出した


とても綺麗な藤色の扇


塞ノ神さまの送り火とよく似た色をしてる


「これくらいの重さなら
あなたでも扱いやすいはず」


「使っていいの?」


「差し上げます。護身用なのですから
護符も後でまとめてお渡しします」


「ありがとう」


受け取れば
持ち手部分につけられた装飾の鈴が
しゃらん、と綺麗な音を響かせた
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