最後にもう一度愛を...


「うん。だから泣かないで?そして社長に…あの人に勘づかれないように、きついかもしれないけれど、僕と婚約者のように振舞っていて欲しい。僕との仲は良好だと伝えてくれればいい」



「わかりました……ありがとうございます……私も頑張ります……」



「いい子だね。里紗さん、ちゃんとご飯は食べて?細すぎだよ。今にも壊れてしまいそうだ。藤咲組の若頭が見たら怒り狂ってしまうよ」



紅さんが……?



「そんな不安そうな顔しないで、大丈夫だから。少し時間はかかってしまうかもしれないけれど、待っていてね。それじゃあ僕は行くけど、くれぐれも社長には仲良くなったことを伝えてね」



私ができることはそれしかない



それが望月さんのために……



私のためになるなら



喜んで嘘をつき、芝居をうつ




「わかりました。玄関まで送ります。婚約者らしく」



そういいふたりで笑いあった

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