李世先輩は私のことを知り尽くしている？

なんだかんだ時は進み、「お試し期間」が始まってから5日目の放課後。


今日は、江真くんが体育館で部活動している様子を見学させてもらうことになっている。


体育館のそばで練習が始まるのを待っていると、五、六人の女子が周りに詰め寄ってきた。


私と同じようにバスケ部の練習を見に来たのかと思ったけど、そうじゃなかったらしい。



「あんた、ちょっと」

「えっ……」




そのうちの一人が私の制服を引っ張って、体育館の裏へと連れ出したから。



私を囲んで逃げられないようにすると、一人が品定めするようににじり寄ってくる。



「あんただよね？江真くんの彼女って」




同学年みたいだけど、顔も名前も知らない。


そんな人たちに敵意に満ちた視線を向けられれば、あっという間に足が震えてしまう。



怯える私を見て、女子生徒は鼻を鳴らして笑う。




「あんたみたいなのが江真くんと釣り合うわけないでしょーが。身の程をわきまえろよ？」





声が出せない。




何もできない。




言い返せない。









誰か助けて。






助けて。










お願い、李世先輩——！！