時間切れ

「あの、検査入院して、抗がん剤治療して仕事や生活は…」

「仕事は… もし治療に専念されるなら辞めた方がいいかもしれません。
抗がん剤治療すると、具合も悪くなったり家事もできずに横になる事もありますから…」

「先生、検査入院は 9/16からでも良いですか?」

「はい。大丈夫ですが、また貧血やめまいや倦怠感がでますが…」

「はい。9/15は結婚記念日と私の誕生日なので家族と過ごしたいんです!」

「そうですか。わかりました。9/16の8:30に受付をして下さい。」

「ありがとうございます。」

「ノン、1日でも早く治療を始めた方がいいよ!」

「一也さん、事務所の皆さんにも挨拶したいし駅前のケーキも食べたいんだもん! ね!」

一也は奥歯を噛み締めて、不安に耐えていた。

「では、篠原さん、
検査入院や抗がん剤治療の事は看護師長から説明させてもらいます。
申し訳ないんですが、私はこれで失礼します。」

「ありがとうございました。
これから、宜しくお願いします。」

「どうか、よろしくお願いします。」

その後、看護師長さんから検査入院に必要な物と、どのように抗がん治療が行われるかなど説明があった。

最後は、血縁者の血液検査についての説明があり、看護師長さんのお話が終わった。

 
「篠原さん、突然でビックリしたと思いますが、何でも治療に関してわからなかったり、不安に感じたりしたら言って下さいね。」

と、私の背中をさすってくれた。

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