王女ちゃんの執事4『ほ・eye』王女さんの、ひとみ。
「おれがこいつらの飼い主、探しますよ」
 フミャァア
 抗議する声を聞き流して、首筋をつまんで1匹ずつ通学バッグの中に押しこむ。
 頼まれたわけでもないのに今度は猫助け。
 やれやれだよ、もう。
「うちはマンションなんで飼えないけど。2、3日学校に置いておけば、その間に誰か探せると思います。全力で飼ってくれるやつを探しますよ」
 じゃ、と立ち上がったら平泉さんが「待って!」と、おれのシャツをつかんだ。
「今から学校に?」
「はい」
「あの、あたし、あの、この子たちのごはん――、買って持っていっちゃ、だめかしら」
「…………」
「…………」
 助けたい気持ちは本物なんだな。
 王女さんが気にいったひとだ。
 きっと町田が見たらとてつもなくきれいな色をしたひとなんだろう。
「場所、知ってますか?」
 こくこくうなずくひとに頭を下げる。
「じゃ、引き取ってくれる飼い主へのわいろ分も――5日分くらい? お願いします」
 貧乏学生じゃおかか飯くらいしかやれないからなぁ。
 そのまえに、米が食える月齢なのかすら、おれにはわからんしな。
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