不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

彼女だけは、手強かった。

彼女が入社して4年になろうとするが、その間、俺にだけ、いまだに硬い態度を崩さないことに、内心、凹んでいた。

後輩の高木とは、馬が合い、時たま2人で飲みに出る間がらで、お酒の席で、相談したことがある。

『そんなに気になるなら、直接、本人に聞いてみたらどうですか?別に、無表情でも普通に接してくれるし、無視される訳じゃないんですから、俺だったなら、気になりませんけどね』

『なんて聞くんだよ?俺のこと嫌い?は、勘違いさせるだろ。他の人と態度違うけど、どうして?は、心が狭い男だと思われるだろう。わからん』

『聖也さん、如月さん以外の人だったら、悩みます?』

『…悩まん。そんなことより、如月は、なぜあんな態度なんだ?俺、無意識に何かしたのか?さっぱりわからん」

ニヤニヤとニヤつく高木は、『悩んでください。そんなことより、俺、最近、小野田さん、いいなって思ってるんですよ。前から、かわいい顔に似合わず、気が強いなって思ってたんですけどね…今年の頭に、偶然、彼氏とケンカ別れするところ見てしまって、うわー、気まずいと思って来た道を戻ろうとしたら、号泣してる姿見てしまったんですよ。そ
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