不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

問題視されている資材部の原因を放置するわけにもいかず、製品管理課の課長と共に彼女に解決策を提案した。

資材部の責任者として、他所の俺に口出しされて、プライドが傷ついたのだろう彼女は、難色を示していた。

だが、ある日、ころりと態度を変え、積極的に動きだしてくれたのだが、就業中の本来の仕事に加えての追加の作業は、合間の時間を見つけての作業になり、なかなか進まない。

そのうえ、同期の気やすさからか、手を動かすより愚痴ばかりで作業が進まず、残業する日々。

俺は補佐に回っているので、率先して動くこともできず、彼女の手際の悪さに苛立つこともしばしば。

ある日、仕事終わりに、相談があると飲みに誘われて、資材部が今の現状になった理由や悩みかと思えば、話の内容の方向が俺の私生活に探りを入れてきて、結婚がどうとか、彼女がどうとか…ターゲットに選ばれたのだと直感した。

あぁ…、ウンザリだ。

告白されたわけでもないが、酒が入り、過度な接触が多くなる。

馴れ馴れしく、俺の名前を呼び出し、酔ったふりで寄りかかる。

興味もない女にされても、嫌悪しかない。

これが香恋なら、今すぐ肩を抱きしめて揶揄いながら甘やかすのに…
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