Dear my star



 「は、はい。長谷川先輩も実行委員だったなんて、奇遇ですね!」


 知ってたくせに、と小さく笑うと郁ちゃんが肘で私を小突いた。


 「俺は大学の内部推薦狙ってるから、内申点狙い」


 へへ、と笑った長谷川先輩。そんな話をしていると、担当の先生が教室に入ってきて慌てて席に着いた。

 お兄ちゃんの隣の席に座った長谷川先輩が何かを耳打ちする。

 するとお兄ちゃんがちらりと振り返り私と目が合った。小さく手を振ってみるも、お兄ちゃんは返事をするわけでもなくそのままくるりと前を向いてしまった。


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