Dear my star


 お兄ちゃんが私の中で、ずっとお兄ちゃんでいられるように。

 もう間違ってでもでも、おかしなことを思わないように。

 お兄ちゃんの優しさを、笑顔を、手のぬくもりを純粋に受け止められるように。この気持ちに名前を付けてしまうその前に。


 蓋をしよう。もう二度と開かないように何重にも鍵をかけて。

 隠そう。もう二度と誰にも、私にでさえも見つけられないところへ。


 「お兄ちゃん、ごめんね。八つ当たりしちゃった」

 「いいよ、気にしてない。真佳は小さいときから、具合が悪いと不機嫌になるって、ちゃんと分かってるから」



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