Dear my star


 お兄ちゃんは私の頭に手を伸ばす。

 私はその手が見えていなかったかのように、頭に触れる直前で立ち上る。


 「学校に行くならこんなにまったりしていられないよ……! 制服に着替えて、朝ご飯も支度しなきゃ。あれ、私制服のリボンどこ置いたっけ……? お兄ちゃん洗濯カゴ見てきて、お願いっ」


 お兄ちゃんは呆れたように眉を下げて笑うと「はいはい」と言いながら部屋を出て行った。

 パタンとドアが閉まった瞬間、私はベッドの上に倒れ込む。


 肺の空気を出し切るように、深い溜息を吐いた。



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