Dear my star
強く吹いた風で我に返ることができた。
顔から血の気が引いていく。
私、なんてことを────。
「……俺も、真佳が好きだよ」
え、と目を見開く。お兄ちゃんの真剣な目が私を貫いた。
「こんなこと言ってもらえるなんて。兄ちゃん冥利に尽きるなあ」
「ち、ちがっ……そうじゃないの、私は本当に」
いや違わない。
ここで「お兄ちゃん」としてのお兄ちゃんが好き。ここで笑ってそう言っておけば、今まで通り兄妹でいられる。今ならまだ引き返せる。
それなのにどうして。
止まらない、溢れ出した感情をどう止めればいいの。
お兄ちゃんが好き。