Dear my star
ねえ、お兄ちゃん。
なあに、と首を傾げた。
「まだこの星はお願い事、叶えてくれる……?」
「もちろん」
握る手に力を込めた。
会えただけでも満足だなんて嘘だ。たった数時間で、私はすごく欲張りになってしまった。
「……一緒に、昔みたいに一緒に、お兄ちゃんと暮らしたい」
うん、そう言ってそれから少し泣きそうな顔をしたお兄ちゃんは私を強く抱きしめた。
温かい。ずっと待っていた、求めていた場所だった。
お兄ちゃんの背中越し見えた空に星が流れた。十年前のあの日、ふたりで泣きながら見上げたあの小さな星だと思った。