Dear my star


 「すごいすごい! ありがとうお兄ちゃん。お兄ちゃんってやっぱり何でもできるね!」

 「これくらい誰だってできるよ。でも真佳が喜んでくれるならやりがいがあるなあ」


 はは、と笑ったお兄ちゃんはポンと私の頭に手をのせる。


 ばくん────と、まただ。心臓が煩い。お兄ちゃんの顔が真っ直ぐ見られない。なんだが耳が熱い。

 何だか最近、ずっと変だ。



 三月、桜の木に桃色の蕾が芽吹き始め、私は無事中学校を卒業した。志望校にも合格し、今日からお兄ちゃんとの二人暮らしが始まる。


 今日は朝から、ひまわりの家から持ち出した荷物を片付けて、私の部屋を整えるのに大忙しだった。


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