義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
 誘ってみようかな。
 次に浮かんだ。
 そうしたら浴衣を着て、花火大会の前には屋台を回ったりして。それはどんなに楽しいだろうか。
 たとえ渉が妹のおねだりを聞いてくれるだけなのだとしても、きっと幸せだ。
 だってまるで恋人同士みたいではないか。
 浴衣で、一緒に歩いて、そして花火を一緒に見る。
 暗い中にいくつも明るい花が咲いて……それを二人きりで……。
 ロマンティックな状況なのだ。もしかすると、身を寄せたり、もっと進むなら、キス、とか……。
 そこまで妄想してしまって、急に恥ずかしくなった。心の中で、ぶんぶんと頭を振ってそれをいったん終わらせる。
 でも、確かお盆のあとに近くで花火大会があるはず。合宿が終わって帰って、少し落ちついた頃にでも……。そんな現実味のある計画へ思考を移らせた。
 そんなことを考えている前で、花火があがる。
 赤、ピンク、緑、青……。
 とても綺麗だった。
 だから、渉と見たいと思った。隣同士で、だ。
 さっきの妄想が叶わなくて、妹としてだっていい。だって、妹としてもそれなりの「好き」という気持ちを渉も持っていてくれるだろうから、大切にしてくれるし、一緒に過ごしたりしてくれるのだろうから。
 そういう気持ちだけでもとても嬉しくて幸せだ。
 今は友達同士での打ち上げ花火。終わったあとには手持ち花火が待っていた。
 しゅうっと派手に火花が散るものや、ぱちぱちと火花が弾けるものなどいろいろある。
 そういうものでひとしきりはしゃいだ最後、締めはやはり線香花火。
 特に女子は真剣に取り組みたくなってしまうイベントだ。
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