義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
「今日は大変だった?」
 梓は玄関のマットの上に置いてあったスポーツバッグを取り上げる。肩にかけた。
 ずっしりと重い。なにが入っているかはよく知らない。
 ユニフォームとか、タオルとか、あるいはバッシュとか? そういう用具。
 これを学校から持ってくるのも大変だろうに、渉はほかに通学バッグも持っているのだ。力持ちだなぁと梓は思う。
「おい、重いだろ」
 渉はそう言ってくれる。けれど持てないほどではない。
「大丈夫! お部屋に持ってけばいいんだよね」
 梓は靴を脱いでスリッパを履いた渉の前を歩きだして言ったのだけど、渉は「ああ……、あ、いや」とそれを止めてきた。
「洗濯物があるんだ。だから脱衣室に持っていかないと」
「そうなんだ。じゃあ洗濯かごに……」
 梓はちょっと振り返って言ったのだけど、渉はちょっと気まずそうに、やはりそれを止めてきた。
「や、汗臭いからいいよ」
「……そう? 脱衣室に置いておくね」
 あ、そうか。
 梓は、気が回らなかったことを悔やむ。確かに運動して汗をかいてきたのだ。妹とはいえ、それを扱わせるのは気になることもあるだろう。
 なので脱衣室に置くということにして、そちらに足を向けた。
「ああ。すぐ風呂に入るからそのときに自分で……。風呂、沸いてるかな」
 渉はネクタイに手をかけてゆるめながら言った。梓は今度、なにも気が引けることがないどころか自信満々に肯定する。
「沸いてるよ! さっきお湯を溜めたばっかりだからちょうどいいと思う」
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