義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
 廊下の奥のほう。ここはきっと、資料室や掃除道具を置いたり管理する部屋。あるいは清掃用などの水道。
 そういう、体育館のメインではない設備があったりするところ。梓はあまり来ないところなのでよくわからずに、そろそろと歩いていった。
 そしてぴりっとした空気。それが漂っているらしきところが濃くなった。
 大丈夫かなぁ。もし倒れているひとがいるなら、すぐに先生とか先輩を……。
 心配しつつ、角を曲がろうとして。
 梓の足は、ぴたっと停止してしまった。体まで、心臓が停止したかと思うほどに固まってしまった。
 だって、すぐに理解したから。この漂っていた緊張感の理由を。
 そこにはひとが倒れているなんてことはなかった。
 でも、確かにひとはいた。
 そしてそれが誰であって、どういう状況であったかが問題であった。梓にとっては大きすぎる、そして衝撃的すぎる問題であった。
「……」
「……」
 ここまではっきり聞こえない。けれど二人の人間がなにかを話していた。
 梓の体の拘束が不意にとけた。同時に理性が働いて、梓はばっと廊下の角に身を隠す。
 どきん、どきんと心臓が跳ねる。
 けれどそれは最近感じてしまう緊張や動揺などからの、ある意味良いといえる感情や出来事からのものとは違っていた。むしろ真逆だった。
 冷たく凍り付きそうなほど嫌な感覚だ。
 なに、これ。なんなの、これ。
 頭の中がぐるぐるしてくる。
 けれどわからないはずがなかったのだ。こんなところを見てしまうのは初めてだったけれど。
 ……他人の告白シーンなんて。
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