ずっとあなたが好きでした。
そうそう。
ランチもおごるって、翔子が言うから。



そういえば、翔子は映画が好きだった。



(あ……)



僕が、SFやファンタジーを好きになったのは、翔子のせいかもしれない。
そもそも、翔子がそういうジャンルが好きで、ビデオテープや原作本を貸してくれたんだ。



それまでの僕はあまり知らないジャンルだったから、けっこうハマった。



名前は忘れたけど、宇宙から来た生命体のプリントされたTシャツをプレゼントされたことがあったっけ。
あれ、気に入って良く着てたよな。



翔子と離れてる間に、そんなことも忘れてた。



そうか…僕は知らず知らずのうちに、翔子に影響を受けていたんだな。



(それだけ仲が良かったってことだよな…)



それなのに、どうして……
何が原因で疎遠になったんだろう?
特別なことはなかったはずだけど。



当時は、お互い受験生ということで、忙しかったのかもしれない。
気も立ってただろうし、心のゆとりもなかったのかも。



(きっと、そうだ……)


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