ずっとあなたが好きでした。
「どうしよう?
また映画でも見る?」

「う、うん。映画良いね。」



今日はなぜ呼び出されたのかわからなかった。
呼び出されたということは、何か用があり、それも、電話では済ませられないような用事のはずだ。



なのに、映画って…
ちょっと不思議な気はする。
もしかしたら、なにかすごく言い難いこと?
だから、映画で気分をほぐそうということなのかな?



考えたらちょっと怖いけど、今は余計なことを考えるのはよそう。
今は、潤とふたりで映画が見られることを喜びたい。



「何見ようか?」

スマホで今近くでやってる映画を調べて…



ファンタジー映画を見ることに決まった。
ゆっくりと、他愛ない会話を交わしながら、映画館まで歩いた。
まるで、デートみたい。
ただ、腕を組んだり手を繋いだりは出来ないけれど、きっとそこまで望んだらバチが当たる。
今だけでも十分幸せなんだから…



映画はとても面白かった。
見終わった後は、映画の話で盛り上がりながら、ランチを食べた。
会話は途切れることなく、私も潤も笑ってばかりだった。
とりあえず、潤の機嫌は良い。
それは安心出来ることだけど、やはり、今日呼び出された用事のことが気になった。
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