恋する乙女はまっしぐら~この恋成就させていただきます!~
「別に、私も後から先生と一緒に遅れていけばいいいじゃん‥」

思わず口から出た愚痴に、じわりと目元に涙が滲む。

(沖田先生、本当は一緒に旅行なんて行きたくなかったのかなぁ)

ずっと楽しみにしていた私には、そんな小さなことさえまるで棘が刺さったようにチクリと胸に痛みが走る。

大の字にベッドに寝転んだまま天井をぼんやりながめて落ち込む私の手元で、再び携帯が短い着信音を響かせメッセージが届いたことを私に知らせた。

『さっきは一方的に悪かった。後から俺と行っても良かっんだが、孝子さんが食事の支度を手伝ってほしいそうだ。真琴と一緒に料理するのを楽しみにしているみたいだから悪いが先に行って孝子さんの相手をしていてくれ。すまない』

言葉足らずな先生に、送られてきたメッセージを読み頬が緩む。

合わせて虎太郎くんの連絡先も送られてきて、すぐに虎太郎くん本人からもメッセージが届いた。

『晒名虎太郎です。

真琴さん、おはようございます。
了解もえないで連絡先聞いてすみません。七時半に迎えに行きます。あの直兄に彼女!!!
会うの、すっごく楽しみにしてます!ではまた後ほど!』

どうやら虎太郎くんは、初対面の私と一緒に別荘に向かうことを嫌がっている素振りは見えず、会うことを楽しみにしてくれているようでほっとする。

虎太郎くんに返信メッセージを送り、ベッドから飛び起きて沖田先生にも『先に行ってまってます。気をつけて来てくださいね』と送信した。

「うん、今日はやっぱり暑くなりそう」

再び空を見上げバスルームへ向かった。
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