5月31日 朝の話
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この部屋は水を打ったように静まり返って物音ひとつしない。
全てのものが眠っていた。

黒皮で出来たキングサイズのベッドで小さく丸まりながら白い毛布に包まる。


ちょっと伸びた口髭、サラっとした腰のない髪の毛は重力に逆らわず下を向いている。

『あぁ、もう朝か・・・』
薄目を開けてみる。
天窓からキラキラとした太陽が差し込んで壁に放射線を描いていた。
そのまま視線をチェストに置いてある時計に移す。
赤い文字で表示されたデジタルの置き時計は
--am6:58--
だと教えてくれた。


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