リアル
ガチャ...


「...ただいま。」


時計も12時を回った所だ。


茜も寝ているかもしれない。


静かに部屋へと上がろうとした...


「お帰り、麻波。」

茜の声だ。


「起きてたんだ。」

「だって今日は待ってるって言ったじゃん。それに、いつもより大分早い帰宅じゃん。」


「確かに。でも、茜、寝ちゃってるかと思ったよ。」


「寝るわけないじゃん♪麻波と話したかったし。」


そう言うと素早く冷蔵庫から缶ビールを取り出してきた。


「じゃぁ飲みましょうかぁ~♪」


いつも以上にテンションの高い茜。


「だねっ♪飲みましょう。」


「乾杯~♪」


かツンっと缶ビールを合わせた。


茜と会うのが何年ぶりかの感覚がした。

ほんのわずかな時間なのに...。


「今日の仕事どうだった?忙しかった?」


いつもの大きなな目を見開き茜が言う。

アタシは何も、やましい事はないのに、何故かさっきまで杉田純一といた事を隠した。


「...今日は暇だったよ。だから早く上がれてさぁ。逆によかったよ。茜とゆっくりと話し出来る時間ができて。」


「そうなんだ。じゃぁ麻波とこれからガッツリ飲めるね~♪」


「うんっ♪ガッツリ飲もう」


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