穂先輩が甘々すぎる。
「俺は、2年B組の霜月 穂。ほたるのクラスは何組?」
「霜月…先輩。私はA組です。」
「特進クラスか。…てか、穂って呼んで。」
「え、ええっ?!でも…。」
「ほたる。早く。」
先輩は、私の目線にあわせて屈んで、懇願するように私を見つめた。
なぜか、色気のある低い声の彼に名前を呼ばれてドキッとした。
私の名前を褒めてくれた彼だから…かな。
「す、穂先輩…。」
恐る恐る名前を呼ぶと、私の頭にぽん、と穂先輩の手のひらが乗っかった。
先輩はどこか満足げな様子で、柔らかい笑みを浮かべて私を見下ろしている。
「ん。よくできました。」
子ども扱いされているのかな…と思ったけど、穂先輩の手のひらに意識が集中して、かあっと顔が熱くなる。
「じゃあ、これからよろしくな。ほたる。」
「あ…よろしくお願いします。」
「うん。じゃ、また。」