穂先輩が甘々すぎる。
穂先輩は、一瞬少し悲しげな顔をして…私の頬に手を添えた。
一瞬だけ見えた先輩の表情に、胸がきゅっと締め付けられたんだけど。
穂先輩の大きな手に意識が集中して、私の頬に熱がこもる。
先輩はもう片方の手で、私の手をぎゅっと握った。
まるで、逃げられないよと言わんばかりに。
「せ、先輩…っ」
「ほたる、真っ赤。こんなにかわいいのに、あいつらどうかしてる。マジで。」
「………っ」
ゆらゆらと揺れている先輩の瞳を見つめた。
その瞳に吸い込まれてしまったように、不思議と視線を逸らせなかった。
「ほんと俺。ほたるのことばっかり考えてる。」
「な、んで…?」
「なんでだと思う?」
少々かぶせ気味に、穂先輩に質問を返されちゃった。