穂先輩が甘々すぎる。



「霜月先輩、近くで見るとさらにかっこよかった…しかもあの笑顔はずるいっ!ときめいちゃう!ほた、うらやまし〜!」



興奮した様子で腕をブンブンと振りながら、うっとりした表情を見せる円華ちゃん。


まるで恋焦がれているみたいだと感じた私は思わず、円華ちゃんに首を傾げた。



「…えっと。円華ちゃん、彼氏さんいるんじゃ…?」


「いやまあ、そうだけど〜!アイツとはまた別っていうかさ。憧れみたいなもんよっ!」



円華ちゃんは彼氏さんを思い浮かべているのか…あははっと笑いながら、私の肩をバシバシと叩いた。


彼氏さんとは別…憧れ…そ、そういうものなのかな?


うーん、そういう界隈に詳しくない私にはよくわからないや。



「…ていうかほたる。さっきの、デートのお誘いじゃないの??」



券売機の列の最後尾に着いたところで、小夏ちゃんがどこか期待してるような笑顔を私に向けた。


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