DIYで魔法世界を再建!
そりゃ・・・言いたくないわな。
この林に迷い込んだ大方の人間が、ベヒモス大国を敵視している。そんな状況下に彼を加えるなんて、殺虫剤の中に虫を投下するようなもの。
彼が何故、これほど哀れな姿になったのかも、安易に想像できる。恐らく、さまざまな場所で門前払いを食らったのだろう。
「ベヒモス大国の人間だから」 「ベヒモス大国の人間は野蛮だ」
「ベヒモス大国出生の人間は入れられない」 「自業自得だ」
そう言われ続けた結果、彼はずっと、たった一人でこの過酷な世界を生きなければならなかった。そうするしかなかった。
私はこの世界の人種やら社会問題についてはよく知らない。ただ、私が生きていた世界でも、『差別』は現代でも問題視されていた。
性別・年齢・出生国・人種
なんでもアリだ。でも差別とはそうゆうものだ。
そんな問題が、何十年も何百年も歴史が経過しても変わらないのは、人間の愚かさなのかもしれない。それは世界が変わっても変わらなかった。
もうこれは、『人間である上の定め』なのかもしれない。
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