DIYで魔法世界を再建!
死骸を袋に詰めている最中、何処からか、かなりか細い声が聞こえる。ただその声は、明らかに精霊さんの声。何処から声を発しているのかも察せない程、小さく弱々しい声。
私はとにかくがむしゃらに辺りを調べた。ただ、さっきまで精霊さんがいた痕跡はいくつも残っているのに、肝心の本人が全く見当たらない。
私は一人で探すのを諦めて、人手を呼ぼうとした・・・その時だった。
岩陰から『湯気』が出ているのが目視できた。この林に温泉なんてなかった筈。地割れが起きてガスが噴き出ているようにも見えない。
もし誰かが火を捨てて慌てて教会に逃げ込んだのなら、それはそれで大変だ。でもそれにしては、その湯気には色も臭いもない。
その湯気の正体が、考えれば考える程分からなくなり、私は岩の上からそっと真下を見下ろした。そこにあったのは・・・

「せ・・・精霊さん?!! どっ、どどど・・・どうしたの?!!」

そこにいたのは、岩肌に寄りかかっている、息を切らした精霊さん達。林に住み着いている全員の精霊が、その岩場で踠き苦しんでいる。
さっきから見えていた湯気は、精霊さんの体から直接出ているものだった。まるで真冬の露天風呂から出てきた光景にも見えたけど、今はそんなのんびりとした考えを持っている暇はない。
ブローチが壊れてしまったから、精霊さん達の身に何が起こったのか分からない。直接本人達に聞きたくても、言葉が途切れ途切れになって聞き取れない。
ただ、その体はとても暑い・・・というか生温い。精霊さんには時々しか触れた事がなかったけど、こんなに熱が篭っていなかった筈。
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