DIYで魔法世界を再建!
第七章 意外な『協力者』
とりあえず、暖がとれる火も確保できたし、食料も今のところ、どうにかなりそうだ。さっき探索中に、澄んでいる小川を発見したから、そこで飲水や魚なども調達できそうだ。
ただ、いくら今日が一つ無い青空だったとしても、こんな日が連日続くとは限らない。とにかく、雨風が凌げる『家屋』が必須だ。
一通りこの林の中を探索したけど、人の姿は不気味な程見つからない。ウロウロしていれば、そのうち誰かに一人くらいは出会えると思ったんだけど・・・。
深夜になっても、明かりが全く見当たらない。私の起こした焚き火だけが、林(闇)に包まれた空間の中で、煌々と照り輝いていた。
ここまでくると、いよいよ怖くなってくる。人の姿を見かけないだけでこんなに心細くなるなんて、思いもしなかった。
・・・そもそも、私が『あの空間』で出会った神様は、この世界の事を全く語ってくれなかった。伝えた事としては、この世界では『魔法』が行使されている・・・という事だけ。
ただ、実際にその魔法を使っている人に出会わないと、たった一つの情報でさえ信じられなくなる。
もしあれが嘘だったとしたら、何故神様がわざわざ嘘を吐いたのか、そこもまた謎になってしまう。分からない事だらけで、頭がパンクしてしまいそうだ。
ただ幸いなのは、今日の晩はさほどモンスターに怯える心配はなさそう・・・という事だ。月の光を遮る雲が浮かんでいないから、今日の夜はとんでもなく明るい。
焚き火の光がなくても、手元が確認できそうな程だ。今日に限っては、森に住んでいる夜行生物も、この特別な夜を満喫している状態。私はこの明るさを利用して、用具作りに勤しんでいた。
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